丹沢の用木沢(標高650m)で、1997年に僅かに生育が確認されたが、2003年調査の時点では、既に消失していたとの事だ。(県RDB)自然環境下での生育は、県内ではこの他報告されていない。この採集地は、一般的なハリスギゴケの生育高度から考えると、可成り低い。
一方、川崎市の生田緑地で、人工的に植えられたエゾスナゴケのマットの中から、群落が報告されている。(平岡、2004)
丹沢大山動植物目録(2007)及び、神奈川県産コケ植物チェックリスト(2007改訂版)には、上記の通り記載されているが、残念ながら、均茶庵は県内では生育を確認できていない。{未}
当種は、高地の陽当たりの良い地上に生え、県外では決して珍しくない。小さいながら強面のする植物体から、白い芒が長く飛び出しているので、肉眼でも容易に確認できる。
上記事情により、添付写真は、宝永山(富士山)で採取した標本を使用した。
【野口】poly多い trichum毛。帽の様子
【牧野】 G. polys多い trichos毛。地上に密生した状態を毛に例えたか。
【e-Floras】L. polys, many, and thrix, hair, applied in antiquity to plants with fine, hairlike parts, including mosses; now alluding to hairy calyptra
【Smith】many hairs, referring to the calyptrae.
【Crum】The name refers to the dense hairs of the calyptra.
【秋山】「poly=多い+trichum=毛」 毛の多い蘚帽を示す
【田中】ギリシャ語でPolyはたくさんをtrichoは 髪の毛を意味する毛深い帽に由来する。
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{文献記録ナシ} 均茶庵が生育を確認。文献記録が見当たらない。
{再確認} 均茶庵が生育を確認。文献記録あり。
{未} 均茶庵は生育を確認できていないが、文献記録あり。
*引用文献及び略語については、「コケの参考書」をご覧ください。
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