『AFP: 地図から消えた湖、気候変動と開発で干上がった避暑地』
2019年3月24日のAFP配信の記事と動画を見て、愕然とした。Laguna Aculeo(アクレオ湖)が消えてしまった。『AFP: 地図から消えた湖、気候変動と開発で干上がった避暑地』
チリの首都サンチャゴ市から、車で約1時間の所にある、約12km2の湖だ。あるいは、今や「あった」と言った方が正しいかもしれない。最深部は6mだった。サンチャゴ市に住むちょっとした小金持ちは、この湖の周りに別荘を構え、普通の人は、カバーニャとよばれるバンガローに泊まり、夏場を楽しむ。
均茶庵は、1993年4月に、駐在員としてサンチャゴ市に赴任した。もう、25年以上前の話だ。家から近いと言うこともあり、又、近くに適当なカヌーゲレンデがないという事もあり、暇を見つけては、日本から持参したファルトボート(折りたたみ式のカヤック)を担いで通った。湖に浮かんでは、仕事の疲れを癒やし、昼飯用に途中の道路際で買ったエンパナダを頬張った。白と青のしなやかな船体は、地元の人たちの目を引いた。
AFPの記事によると、2011年頃から水位が下がっていたらしい。そして遂に、2018年5月に到り、湖は完全に干上がってしまった。気候変動により、降雨量が減ったのが原因とも、農業用水の取り過ぎとも言われているが、はっきりとはわからない。そう言えば、ここ数年エルニーニョ現象が起こっていると聞いていた。とにかく、あんなにいた水鳥が消えてしまい、湖底では、牛が草を食んでいる。実朝は、金槐和歌集で「山はさけ海はあせなむ世なりとも君にふた心わがあらめやも」と歌っているが、まさか・・・。
2019年3月24日
追記)
最後にチリとアルゼンチンへ行ったのは、2014年11月だった。そろそろもう一度遊びに行こうかと思っていた矢先の記事だった。そう、あの静かだったサンチャゴは、今は火炎瓶の炎に包まれているという。もう半年も続いている。アルゼンチンも、経済が極端に悪くなってしまい、遂に2019年末には、準デフォルト状態に陥ってしまった。高齢者のアルチリ一人旅行は、断念せざるを得ない。さて、この先状況が変り、可能になるのだろうか。その時、均茶庵の智力・気力・体力は、未だ残っているだろうか。世は、いつしか変わるものだ。
2019年12月20日
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