神奈川県産コケ植物チェックリスト(2019年改訂版)で、新たに記載された。又、2020年版の神奈川県RDBで絶Iに指定された。
当種は、当初佐々木によって2009年にカシミール・クマノゴケTheriotia kashimirenseとして報告された。その後、コバノイクビゴケD.perminutumで有ることが判明し、佐々木によって2011年に改めて神奈川県産新種として発表された。環境省によっても、絶滅危惧I種に指定されている、非常に珍しい種だ。{未}
小田原市入生田にある神奈川県立生命の星・地球博物館のほど近くに、箱根登山鉄道入生田駅がある。この一帯は、杉・檜が混じるスダジイを主とした照葉樹林となっている。採集地は、いずれも林内の岩上の由。又、陰湿な沢岸にある大きい岩の上には、直径5~6cmの大群落があった由。
この付近の山神神社からは、佐々木が2009年にDiphyscium satoi ヒメイクビゴケを報告している。当種も、入生田が県内唯一の生育地となっている。
写真は、平凡社からとった。
【野口】 蒴壁と胞子室が分離している
【牧野】 G. di-二 physcium胃袋。胞子嚢の形が胃袋に似ているから。
【e-Flora】G. di-, two, and physkion, little gut, alluding to double bladder of spore sac and capsule wall
【Smith】referring to the double tissue of the exothecium and sporangium.
【Crum】Named because the capsule wall is fairly distinct from the spore sac, being connected to it by short filaments, thus resulting in a double bladder.
【秋山】「di=2+physce=袋」 内外二重の袋状となった朔の構造から
【田中】ギリシャ語でdiは2つを表し、physceは気胞を意味する。この属では、さくの外壁とさくの組織が明確に2つに区別できることに由来する。
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{文献記録ナシ} 均茶庵が生育を確認。文献記録が見当たらない。
{再確認} 均茶庵が生育を確認。文献記録あり。
{未} 均茶庵は生育を確認できていないが、文献記録あり。
*引用文献及び略語については、「コケの参考書」をご覧ください。
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作成: 201130