均茶庵のコケここ
県の絶IIに指定されてはいるが、県内の生育確認地点は、非常に多い。特に丹沢山から山梨県境にかけて、丹沢山地の東西方向に濃く分布する。
山地の樹幹に大きな塊状に生えているので、目にも着きやすい。顕微鏡で葉の形を見れば、その特異な形状から一目瞭然で、同定は容易だ。
生育確認済みの場所が非常に多いので、山地を箇条書きとする。数字は、生育が確認された標高で、年月は均茶庵が生育の確認をした時期を示す。均茶庵が未確認の場合には、年月を書いていない。併せて、出典を添記した。県RDBには、1.①及び2.②、⑤~⑩の各地点が記載されている。
1. 箱根: 火山情報発令のため、2015年6月以降は、箱根山への入山が禁止となっている。
① 神山~駒ヶ岳 1,327~1,438m 県RDB {未}
② 駒ヶ岳~早雲山 1,230m 平岡, 2006 {未}
2. 丹沢:
① 丹沢山頂下 1,500m {文献記録ナシ} 2010年5月
② 丹沢山~天王寺尾根 1,300m 県RDB {再確認} 2009 年5月
③ 塔の岳~鍋割山 大丸・小丸 1,373m {文献記録ナシ} 2017年10月
④ 石棚山北東 1,485m {文献記録ナシ} 2017年7月 下記注)参照。
⑤ 檜洞丸 1,400m 県RDB {再確認} 2016年4月
⑥ 大室山~加入道山 1,400m 県RDB {再確認} 2016年 5月
⑦ 畔が丸 1,200m 県RDB {再確認} 2017年9月
⑧ ヤブ沢の頭 1,000m 県RDB {未} 下記注)参照。
⑨ タライゴヤ沢 720m 県RDB {未}
⑩ 菰釣山 1,379m 県RDB {再確認} 2018年10月 山頂 に限らず、大棚の頭から菰釣山頂まで、樹幹上に豊富に生育している。
⑪ 白石沢 1,000m 平岡・他, 2007 {再確認} 2010年4月
⑫ モロクボ沢の頭 1,200m 平岡・他, 2007 {未}
⑬ 善六のタワ 1,140m 平岡・他, 2007 {未}
⑭ 三国山(神奈川・静岡・山梨県境)1,304m 金井, 2011 {再確認}
⑮ 富士岬平 (神奈川・静岡・山梨県境)1,158m 2019年5月 {文献記録ナシ}
甲相国境尾根では、菰釣山から南へ分布が伸びている事が分った。しかし、富士岬平~三国山の間では、生育を確認できていない。(Rev: 190603)
注) ④石棚山北東と⑧ヤブ沢の頭: 均茶庵が確認した高度と場所記述が異なるので、独立扱いとした。しかし、両所は、地理的に近いので、同一地点の可能性もある。ヤブ沢の頭は、石棚山の西側に位置する。
【野口】人名
【他】 Johannes Bisse (1935-1984)のことか? 独生まれで、キューバで植物研究をした。
【秋山】J. Bisset 氏の名前から
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{文献記録ナシ} 均茶庵が生育を確認。文献記録が見当たらない。
{再確認} 均茶庵が生育を確認。文献記録あり。
{未} 均茶庵は生育を確認できていないが、文献記録あり。
*引用文献及び略語については、「コケの参考書」をご覧ください。
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作成: 181115