Orthotrichaceaeの判別は、そう簡単ではない。蒴や帽がないと、属レベルでも、ちょっと見ただけでは区別ができない事もある。できるだけ蒴が着いている標本を探すが、相手は季節や環境が異なる自然の中に生きているわけだし、こちらの都合には中々合わせてくれない。
モミゴケは、通常は中部以南の暖かい地方に生育するとされ、神奈川県での確認は、非常に珍しい。均茶庵は、2011年に富士山麓の水ケ塚駐車場から御胎内に行く途中の樹幹標高約1,400mで採取したことがあるが、2015年8月に至ってやっと同定できた。蒴も帽も着いてなかった。
県RDBでは、二件記載している。RDB発行以降は、新産地での生育が確認されていない。
① 丹沢 畔が丸 標高 1,250m {再確認}
均茶庵は、畔が丸頂上のブナ樹幹で、2017年9月に確認した。頂上は、標高1,292mだから、多分、県RDBとほとんど同じ場所だろう。初めて見た時には、ミノゴケMacromitriumかと思い込んでいた。家で顕微鏡をのぞき、葉下部の特有な模様を見つけた時、初めて当種と分かった。
② 丹沢 大室山 標高 1,300m {未}
倒木あるいは落葉樹幹で確認したと県RDBに記載がある。均茶庵は大室山に何度も登っているが、残念ながら未だ出会っていない。
【野口】人名
【e-Floras】for Ernst Friedrich von Schlotheim, 1764-1832, German paleontologist
【Crum】The name was given in honor of Ernst Friedrich von Schlotheim (1764-1832), a paleontologist held in comparison with others of the Macromitrioideae.
【秋山】伯爵 Schlotheim 氏の名前から.
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{文献記録ナシ} 均茶庵が生育を確認。文献記録が見当たらない。
{再確認} 均茶庵が生育を確認。文献記録あり。
{未} 均茶庵は生育を確認できていないが、文献記録あり。
*引用文献及び略語については、「コケの参考書」をご覧ください。
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作成: 180615