このコケは、屋外でもルーペを使っただけで、すぐに判別できる。思い切りしわしわになった葉が特徴的だ。県内には比較的豊富に生育しており、特に、丹沢檜洞丸~畔が丸を東西に結んだ線に沿って、確認されている。
県RDBには、6ケ所が記載されており、基盤はいずれも倒木、腐木、樹幹などだ。この内、均茶庵は①のみ、2012年10月に生育を確認している。均茶庵は、2020年9月に樅の木沢でも生育を確認したため、県内の生育地は合計7ケ所となる。
① 南足柄市 大雄山最乗寺 標高350m {再確認}
県RDBでは、境内の石碑やイロハモミジの樹幹に記録されている。
均茶庵は、大書院前の他、参道脇の樹幹でも確認した。Rev. 200716
② 丹沢 白石沢 標高690m {未}
加入道山から用木沢に下る途中にある。台風により、登山ルートが大きく崩壊した。
③ 丹沢 ツツジ新道 標高1,000m {未}
西丹沢自然教室から東へ向かい、檜洞丸へ登る道筋にある。平坦な尾根道のため、今では檜洞丸登山の『大通り』になっている。
④ 丹沢 タライゴヤ 標高725m {未}
札掛から境沢林道を西へ歩く。台風による道路の崩落があったが、2017年に綺麗な舗装道路になった。
⑤ 丹沢 ヤブ沢の頭 標高900m {未}
大石キャンプ場から東へ向かい、石棚山1,351mのすぐ手前にある。檜洞丸に登るルートだが、石棚山から檜洞丸の間が険しいため、最近余り登山者を見かけない。その分、ブナの自然林が残されている。檜洞丸の山頂近くのブナ林は、殆ど壊滅状態にある。
⑥ 丹沢 板小屋沢 標高 600m {未}
大石キャンプ場から東へ向かい、石棚山へ登る途中。ヤブ沢の頭の手前。
⑦ 丹沢 世附樅の木沢 標高649m {文献記録ナシ}
県道729号は、丹沢湖西の世附浅瀬から切り通し峠を抜けて、静岡県に入る。途中、水の木橋から水の木沢を訴状すると、菰吊り橋で樅の木沢に分岐する。菰吊り橋の約100m程上流の樹幹に、塊となって生育していた。2020年9月に確認した。県道729号は、土砂崩れが激しく、歩行による通行のみが可能となっている。菰吊り橋までは、県道729号のゲートから2時間かかる。
(Rev. 201004)
尚、箱根二子山下、山伏峠、大観山からも報告はあるものの、県RDBでは再確認できていないとしている。
【野口】人名
【E-Flora】 for Noel Martin Joseph de Necker, 1730-1793, French botanist
【Smith】named after a German bryologist, Noel M.J. de Necker (1730-1793)
【Crum】The genus was named for Noel Joseph de Necker (of Mannheim), who vigorously opposed Hedwig’s views on the sexuality of mosses
【Meagher】A name honouring Noel Martin Joseph de Necker (1729-1793), Belgian botanist and bryologist in Mannheim.
【秋山】蘚苔類学者のM. J. Necker 氏の名前から
【田中】ドイツの植物学者N.M.J.de Neckerの名前が語源。
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{文献記録ナシ} 均茶庵が生育を確認。文献記録が見当たらない。
{再確認} 均茶庵が生育を確認。文献記録あり。
{未} 均茶庵は生育を確認できていないが、文献記録あり。
*引用文献及び略語については、「コケの参考書」をご覧ください。
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作成: 180801