本種は、西日本では比較的豊富に見られる。一方、神奈川県RDB(2007)では、県内での生育地は、箱根山(野口, 1948)から報告されただけであり、又、その後再確認されていないため、既に絶滅している可能性もあるとしていた。尚、火山情報発令により、箱根山への登山は、2015年6月から禁止されている。
均茶庵は、2006年3月に、丹沢玄倉バス停から約3km程玄倉川を遡った標高400mの河原で生育を確認した。{文献記録ナシ} 更に、2016年6月にも、同じ場所で生育を再確認した。渓流脇のトーナル岩(石英閃緑岩)上に、直径約30cmの群落が懸垂していた。この付近は、地元では釣りとBBQの名所として知られていたが、現在は一般車両進入禁止となっている。尚、2017年2月に行った際には、生育を確認出来なかった。(Rev. 200704)
更に、2017年2月には、丹沢の大又沢沿いに走る大又林道笹子沢付近で、灌木・樹幹・閃緑岩から懸垂している群落を確認した。{文献記録ナシ} 陽当たりのよい林道沿いに、長さ約5m程の範囲で生育していた。この付近は地盤が非常に軟弱で、2010年9月の台風9号による大規模崩壊により、長らく通行禁止となっていた。2003年8月~2006年8月の踏査記録(平岡・他, 2007)に載っていない事から、群落が出来上がったのは、比較的新しいのかもしれない。
2020年9月に、上記の場所から約300m上流の林道脇岩壁上に、長さ約3m程の範囲に、生育を確認した。{文献記録ナシ} (Rev. 200917)
又、2017年5月には、標高996mの箱根芦ノ湖西岸外輪山の山伏茶屋~三国山で、凝灰岩の岩室から懸垂している小さな株を確認した。{文献記録ナシ}
以上、再確認できていない箱根山を除き、合計3ケ所で生育を確認している。
由来は不詳。
【均】trachy ざらざらした cladiella枝
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{文献記録ナシ} 均茶庵が生育を確認。文献記録が見当たらない。
{再確認} 均茶庵が生育を確認。文献記録あり。
{未} 均茶庵は生育を確認できていないが、文献記録あり。
*引用文献及び略語については、「コケの参考書」をご覧ください。
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作成:180120