さて、大見えを切ってしまったものの、文章にまとめるとなると、均茶庵の脳みそでは形が中々出来上がらない。いくら中身があっても、形がないとただの幽霊だ。少々無味乾燥にはなるが、まずは産地の一覧からはじめよう。
地形・地質上の特徴から、神奈川県と伊豆を5つに区分した。
1.関東山地: 宮ケ瀬湖~相模川~桂川以北から、東京都との県境
2.丹沢・大山: 上記以南から箱根までの間。県の中心山地
3.箱根・芦ノ湖: 箱根山を中心とした地域
4.北伊豆: 静岡県境~修善寺・伊東
5.中・南伊豆: 修善寺・伊東以南。文献調査のみ。
地図の上に生育地をプロットすると、三地域に集中している事が分かった。あるいは、三地域を除いては生育していないと、ほぼ推定される。
1.関東山地
小仏層が東京都から連なり、泥岩や礫岩を基盤としている。高い山はなく、県境の生藤山茅丸 標高1,019mが最高度だ。
相模原市リニア関連地点 (標高 400m以下){未}
相模原市鳥屋のリニア新幹線関東車両基地予定地、小倉変電所予定地など合計6ケ所から生育が報告されている。(JR東海, 2014)詳細資料が手に入らないので詳しくは分からないが、地形図から見ると全て標高400m以下の場所とみられる。
とても「ほおずきやま」とは読めない茨菰山 標高511mを始めとして、鳥屋周辺を何度か歩いてみた。生育を確認できなかった。バブル時代の違法別荘地が廃墟化している丘を登って行くのは、正直言って、気持ちが萎える。山蛭も、足元だけではなく、頭の上から落ちて来る。もう一度行こうと言う活力は、中々出ない。それから、標高が低いので、報告はあるものの、オオミツヤゴケが果たして生育しているのか、ちょっと疑問がある。
更に北にある東京との県境の陣馬山 標高855m、生藤山 標高990m及び前述の茅丸 標高1,019mなどからは、確認できなかった。又、丹沢と境界となる石老山 標高702mからも、確認できなかった。この地域で、他に標高 700mを超えるのは、景信山 標高727mのみだが、未踏査だ。県境を越えた東京都からは、未だ生育が報告されていない。
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{文献記録ナシ} 均茶庵が生育を確認。文献記録が見当たらない。
{再確認} 均茶庵が生育を確認。文献記録あり。
{未} 均茶庵は生育を確認できていないが、文献記録あり。
*引用文献及び略語については、「コケの参考書」をご覧ください。
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