均茶庵の世界
比較的新しいさすらいの物語です。
ご一緒したべんてんが、いつも旅の安全を守ってくれました。
Huaraz(ワラス)は、人口13万人のアンデス山脈のど真ん中にある町だ。標高も、3,052mある。すぐ近くに、標高6,768mの名峰Huascaranがある。Peruの首都Limaから直交バス便があるが、均茶庵は海岸そばの人口2.8万人の町Casmaから、田舎バスでゆっくりと昼アンデスを楽しむ方が好きだ。
アンデスの山並みに入り、そろそろお腹が空いたと感じるころ、集落の真ん中で突然バスが止まった。運転手が立ち上がり、大声で「昼飯。」と叫ぶ。客がぞろぞろと車を降りる。お店は何軒かあるが、飯屋らしき建物はRestaurante Porvenir『未来軒』一軒しかない。Pepsiの看板だけが目立つ。料理も魚の煮込み、鶏の煮込みそして肉の煮込みの中から一品を選ぶだけだ。バスが何時に出発するのかも分からない。運転手に聞いてみたが、「時間になったら。」と答えるだけだ。
Huarazの少々お安いホテルに泊まった翌日は、高度順応を兼ねて、3,500mでキャンプした。翌朝、ラジオ体操をしながら体調を確かめて、ハイキングに入る。どこまで登れるか。足元に氷河を見た。標高4,200m。ここで、死んでしまった。苦しさに、岩の間に横になる。名も知らぬ花を虚ろに眺める。典型的な高山病だ。「ここまで・・・。」均茶庵のリュックを持ったガイドの足だけが見える。「もう少しで、すごく景色の良い所があるんだけれど。」ひたすらコカの葉をくちゃくちゃと噛む。
注)高山病除けに、コカの葉(コカインの素)を噛むのが、ご当地の習慣です。習いました。Coqueroと言います。
*写真の拡大は、PCの拡大機能を使ってください。
作成: 180315