黒滝山を愛する会10周年記念誌『くろたき』に「校歌・応援歌にうたわれた黒滝山」という記事が掲載され、旧制忠海中学校、忠海高等女学校、新制忠海高等学校、忠海中学校、忠海東小学校、忠海西小学校の校歌が掲載されている。これらの校歌の中には必ず黒滝山と味潟海(瀬戸内海)が織り込まれているので、紹介してみよう。
広島県立忠海高等女学校校歌 大正4年3月制定 菅野敬吉作詞
1.雲に聳ゆる黒滝の 鐘の響きに啓示あり
底ひ知られぬ大瀬戸の 波の調べは千代呼ばう
我が忠海のただ中に 立てる学び舎幸多き
2.山の高きを姿とし 海の広きを心にて
雨の朝も風の日も 学びの業に人の道
この学び舎の名にかけて 励みつとめんいざや友
広島県立忠海中学校第一校歌 大正10年11月制定 武島羽衣作詞
1.ここ芸南の別天地 学びのつどい睦まじく
知徳を修め体を練る 若き吾等が幸多き
2.朝に仰ぐ黒滝の 山に理想をたぐえなん
夕に望む瀬戸海の 波に希望を湛えてん
3.比い稀なる秀麗の この山水の気をうけて
頼山陽も生れたり 起て芸南の大丈夫よ
4.世界は広し事繁し 燃ゆる血潮に棹さして
重き使命を果たさなむ 芸南健児いざやたて
広島県立忠海中学校第二校歌 昭和5年10月制定 葛原しげる作詞
1.朝気高き黒滝の 峯に不易の叫びあり
見よや「質実剛健」の 旗押し立てて勇ましく
理想の高嶺登るは誰ぞ 奮え忠中健男児
2.夕絵に似る瀬戸海の 波に不断のひびきあり
見よや「公明正大」の 風帆に満ててましぐらに
希望の島へ渡るは誰ぞ 奮え忠中健男児
3.至誠息むなき聖賢の 書に久遠の光あり
かざせ闇路を照らすべく 諸手に「進取向上」の
灯火かざせ我等ぞかざせ 奮え忠中健男児
4.地の利人の和天の時 茲に集うかわが学舎
日々に新たに進む世に 歩調そろえ文に武に
凱歌をあげん我等ぞあげん 奮え忠中健男児
広島県立忠海高等学校校歌 昭和28年11月3日制定 重園賢雄作詞
1.ああ風清く晴わたる 黒滝山の頂きに
平和の光仰ぎつつ 若き希望の眉あげて
いま溌剌と集うもの われらに意気と力あり
おお忠高 忠高われら
2.ああ波青く冴えわたる 味潟海に棹さして
心の玉を磨きつつ 探る真理のひたすらに
いま洋々と進むもの われらに夢と理想あり
おお忠高 忠高われら
3.ああ旗高くひるがえる 学びの賛歌この庭に
揺るがぬ睦み固めつつ 郷土の誇りをさらになお
いま燦然とかざすもの われらに愛と自由あり
おお忠高 忠高われら
竹原市立忠海中学校校歌 羽白幸雄作詞
1.山高くせまりて 風になる永久の黒滝
眉あげて瞳さやかに つどい寄るこの学舎
ああ高き志よ 栄あれや おおわが忠中
2.水清くたゆたい 松並のすずし瀬戸海
潮騒のひびき通いて つどい寄るこの学舎
ああ清き調べよ 栄あれや おおわが忠中
3.空遠くはるかに 天翔ける白き鳥影
夢多き子らたくましく つどい寄るこの学舎
ああ遠き望みよ 栄あれや おおわが忠中
竹原市立忠海東小学校校歌 重園賢雄作詞
1.沖の久野島こもごもに 呼べばこたえる伊予の山
光る潮風瀬戸内の 波に明るく棹さして
行く手正しく今学ぶ ああ忠海東 東小学校
2.きょうもそびえて黒滝の 空に流れる雲の峰
共に仰いでこの窓に 希望はばたく若だかの
集い楽しく今学ぶ ああ忠海東 東小学校
3.ひらく絵巻のあでやかに 四季をいろどる海と山
尽きぬ恵みに抱かれて かざす誇りの高らかに
日々を新たに今学ぶ ああ忠海東 東小学校
竹原市立忠海西小学校校歌 羽白幸雄作詞
1.床浦のみぎわさやかに 潮ながれみどりゆらぎて
砂しろく光るをみれば ああ清きもの胸にわきず
友よみな心ひとつに まことの海をいざやわたらん
幸とわに わが忠海西校
2.黒滝のひとりけわしく 山なみのきびしき峰に
風おこりさやぐをきけば ああ強きものみぬちにたぎる
友よみなまなじりあげて のぞみの山にいざや登らん
幸とわに わが忠海西校
3.学びやの花はゆたかに つどい寄りいそしむわれら
手をとりて語らいすれば ああ直きもの心にかよう
友よみな力あわせて みのりの園をいざや守らん
幸とわに わが忠海西校