管理人が仕事(空港勤務)をしている某航空会社のビジネスクラスには、
テーブルと座席が交互に来るので、お隣に誰かが座るということがありません。(左図参照)
お客様から「窓際席が欲しい」と言われると、誤解がないように、
窓際席には、
窓の隣にお座席があり、その横にテーブル、(①)
または窓の隣がテーブル、そしてお座席がある席(②)二種類ございます。
とご説明しています。(左図は一例、②のタイプ。)
さて、これを英語で説明する時に、
①は「Window window seat (窓際の窓際席)」
②は「Window Isle seat(窓際の通路席)」
と言えば、上手く通じることが多いです。
この「Window window」と同じ考え方が「Married, married」です。
ここでのジョークは「アメリカで”結婚”と言っても一言では言えない」ということです。
いわゆる「社会風刺」です。幸せな愛情満ちた家族、冷えた夫婦、離婚したいのに経済的に出来ないカップル、幸せなのに法律によって結婚出来ない同性愛カップル等々…。
ここでフィービーは「I'm not married, married」と言っていますが「ごく普通の家族円満の結婚ではない」という意味です。つまり「Married. married」は「思い描く理想の結婚生活」のイメージで捉えられます。
次に直後のフィービーのセリフ
He just needed a Green Card (ただグリーンカードが欲しかっただけ。)
についてですが、これは少しダークな話になります。
現在のアメリカはオバマ政権(2008年~)、トランプ政権(2017年~)と10年以上を通して不法移民の増加に対して、締め付けを強めています。管理人は2010年に合法でアメリカに入りましたが、ビザの入手、グリーンカードの入手に予想以上に時間がかかり、アメリカ人の知り合いから「さっさとメキシコに飛んで不法に入って来い!」と冗談を言われるくらいでした。
当エピソードが放映された1995年はまだ締め付けが始まる前の話なので規制がゆるいです。グリーンカード(アメリカ永住権、日本で言う外国人在留カード)が2007年に10年毎の更新義務付けとなる前なので、そもそもカードそのものに有効期限が入っていませんでした(!!)。つまり「グリーンカードが取れれば半永久的にアメリカに滞在できた」のです。
特にここに登場するダンカンさんはカナダ人、アメリカに陸続きの隣国です。ダンカンさんはショービジネスでアイススケートを滑っているので、エンターテインメントが盛んなアメリカは経済的な魅力が有ったでしょう。アメリカ人の友達と「結婚」さえすればグリーンカードが今よりももっと簡単に手に入った時代、フィービーはそのためにダンカンさんを不法に手助けしていた、という話です。
下の映画「グリーン・カード」は、今ではあり得ない結構ゆるゆるなグリーンカード規制を楽しむことが出来ます。もし興味が有ればどうぞ。