ネコのピー助

もう6年程前になるのかな、”ピー助”というネコを飼っていた時の思い出です。

子供の頃は家でも猫を飼っていたのですが、ネコは寿命が短く自由に外に出て行けるので事故にも会いやすく

亡くなると寂しい思いをするのでずっと飼っていませんでした。

昔 田舎で飼っていたネコは白黒の大きく大人しいネコでしたがちゃんとネズミも捕りました。

車もほとんど走っていない時代でも危険は何処に出もあります、動物捕まえる為にトラばさみの罠を仕掛ける人が居たようです。

家のネコもトラばさみに前足を挟まれて、やっと逃げてきたのでしょう 片足をぶらぶらにして帰ってきました。

消毒と包帯程度しかで出来なかったのに騒ぎもせずに、春の麦の収穫と脱穀が終わるまで縁側に横になって仕事を見ていました。

そして、仕事も大体終わった 籾を干す頃に何処かへ出ていきました。

その後近所の何処でも見つからずに、何年も後で少し遠くの畑の通路でネコらしい白骨を見つけたけれどそれが何かは分かりません。

それが また猫を飼うことになりました。

仕事関係で発酵肥料の勉強をしていた時に匂いと味に引かれてネズミが集まり始めて、ネズミは数ヶ月で大人になり子供を沢山産むので直ぐにネズミの集団が生まれてしまいました!

(スズメも良く来ていましたが春に生まれ半年で大人になり子供を産んで1年半〜3年で一生が終わる様です、ホントに人は長生きです)

その上ネズミは歯がどんどん伸びるので金属の配線でもプラスチックでも何でもかじって、配線をショートさせたり肥料は食べるし糞はまき散らすと暴れまくっていました。

ネズミ殺しとか薬は使え無いので配線に芥子を塗ったり ねずみ取り器を幾つも置いて捕まえても全然減りません。

あまり多くて切りがありません。

たまたま連休の時にネズミが捕まって篭に入れたまま数日も置いたことがあります、すると子持ちだったのでしょうネズミは自分の子供を産んでいて それを食べてしまいました、ホントに怖かったです。

ネズミの生命力の強さ恐ろしさは”ミッキーマウス”の可愛いキャラクターからは想像出来ません。

策が無くてほんとに困ってしまい ネズミにはネコしかないと真剣に思いました。

ネコ欲しいなと言ってたら 知り合いの人が獣医さんの所から まだ5ヶ月前のかわいいネコを貰ってきてくれました。

それから田舎の工場でネコとの一緒の生活が始まりました。

ネコは子猫でもネコです! ネズミを見つければ直ぐに追いかけます、細いパイプの上でも凄いスピードで追いかけて捕まえます。

そして捕まえたネズミは食べずに遊びます、ネズミを離しては追いかけ それを繰り返して飽きるまでやり飽きたら寝てしまいます。

その頃にはネズミはもう逃げる力はありません。

よく遊んだな、、

もうでかけようかな?

今日も終わりお休みなさい

そのうちにネズミも表に顔を見せなくなり、ネコの入れない壁の中とかに隠れて隙を見て穴を開けた所から出てくるようになります。

ピーちゃんも部屋には飽きて外の広いのっぱらに遊びに行くようになり昼間は留守になり、野生ネコビー助として成長していきました、

ネズミも間を見つけて出てきましたが昔に比べれば被害は少なくなりました。

1年半くらい暮らして此処の仕事も終わり 自分の家に連れて帰りました。

今度は町のネコの生活です。

初めの数日間は家の中にいても椅子の下とか物陰に隠れて姿を見せず何処に行ったと探した物です、それが終わると家族になれて安心したのか椅子の上でもぐっすり寝るようになるます。

ここなら安心だ、

リラックス

ひまだな、、

次は外が気になり窓からじーと外を観察する日が続きました。

隣が空き家になっていて餌をやる人が居たので野良猫の巣になっていて、そのネコ達の巡回通路は家の小さな庭を抜けていくコースでしたから 野良猫が堂々と歩いていきます。

田舎の原っぱで育って他のネコは見てないはずのピー助が沢山のネコを見たのはどんな感じだったんだろうか?

暫くは外に出ようとはせずにガラス越しに眺めるだけでした。

外の野良ネコ何してるかな

外に行きたいが怖いし

そのうちにそろそろと外に出てみるようになり、その度に野良猫に追いかけられて家に逃げ込むようになるました。

外に出して自由に遊ばせてやりたかったし野良猫を増やしてはいけないので可哀想だがパイプカット手術に連れて行きました。

男ネコの避妊手術は直ぐに終わり半日静かにさせて下さいと言うだけで終了、まあ同じ男としては可哀想でしたが仕方有りません。

そんな事を繰り返してる内に気の合ったネコが出来て一緒に遊ぶようになりました。

これがブチというか汚い模様のネコで人間は不細工だと言ってもピーちゃんにとっては違うのでしょう、ネコの趣味もネコでなければ分からないものです。

相変わらず野良猫の大将には追いかけられて庭のイチイの木に駆け上って避難したまま降りれずに困って救出に行ったこともあります。

逃げ切った

でも、降りられない。

ネコの爪は登るには良いが

しかし巡回範囲も広がって、裏の道路を越えて50m位は出かけるようになり、2匹で仲良く走っていると車が来ても追いかけて横切る用になり

心配になって家に閉じこめようか思い始めた頃 表の大通りを横切るピー助を見た人が居るようになりました。

そして ある日 ピー助は遊びにでたまま夜になっても帰って来ませんでした。

田舎の仕事場で育った時から どんな時も必ず夜になれば 食事と寝る為に帰って戸の前で待っていたのに。

探して歩いただけでなく、近所の人に聞いたり、市の清掃に聞いたり色々しましたがどうなったか分かりませんでした。

後でおたくのネコと似たネコが車に跳ねられたみたいで 公園の近くでぐったりしてたと聞いて探してみましたが見つかりませんでした。

町のネコになって半年、3才にもならずにピー助の一生は終わったのかな?

連れてこずに野原で自分で餌を探して子供を作って生きたのが幸せだったかなと思う事もあります。

餌が無くて餓死とか車に撥ねられて死んでたかも知れないけれど、自分で切り開く人生だよな。

玉取られて、狭くて危ない町の生活(家の中で家族とだけ過ごすのもまあネコの生活かも知れないが)は息苦しいだろうと私は思うが。

ピー助はそんな下らない事を考えずにその場その場で素直に生きてきたんだし、不細工でも彼女も出来て幸せだったとも思うし。

私は詰まらない事を考えすぎです。