中国は宇宙軍を創設するか?

中国は宇宙軍を創設するか?

2014.09.17

© Collage: «VOR»

つい先日、読売新聞は、中国が、陸海空軍、戦略ミサイル部隊(正確には人民解放軍第2砲兵部隊)とならんで、宇宙軍部隊を創設した可能性があると報じた。 確かに中国にとって宇宙空間を軍事利用する意義は、絶えず増している。その事を裏付ける一連の証拠もある。その一方で、それに特別の地位を与える可能性は 低いとの見方もある。

ロシア戦略分析・テクノロジー研究所のエキスパート、ワスィーリイ・カーシン氏も、そう考えている。彼の見解を以下、皆さんに御紹介したい。

宇宙の軍事開発の多くの重要な方向性において、中国は、世界のリーダー国であり、トップを占めている。例えば、中国の衛星攻撃兵器(ASAT)製造プロ ジェクトは、最も大規模で世界の最先端にある。また偵察衛星においても先頭を行っている。とりわけ電子光学偵察衛星においては、映像の細部の解明度は1 メートル未満にまで達した。人工衛星ナビゲーション・システムも成功裏に構築されている。

とはいえ、人民解放軍において宇宙関連の個別の部隊を立ち上げるというのは、恐らくないと思われる。まず第一に、そうした決定が下される場合、我々はま ず、中国の最高軍事指導機関である中央軍事委員会の構成メンバーの変化を目にするだろう。地上にある宇宙関連施設の大部分を統括するこの委員会の組織機構 において、人事異動があるはずだ。軍事目的での宇宙機器の打上げに参加している戦略ミサイル部隊内でも、変化が見られるだろう。

タイユアン、スィチャンといった宇宙船発射基地は、弾道ミサイルや衛星攻撃兵器(ASAT)含めたミサイル兵器実験の中心地である。こうした基地の管理を どうするか、興味深い問題だ。宇宙軍創設ともなれば、管理・補充・物質的技術的保証システムでの変化はかなり大きなものとなり、隠す事など出来ないはず だ。

また宇宙軍の所属や地位ついて、今後の問題の解決に迫られるだろう。中国は近い将来、様々な要求に応える幾つかの複雑な宇宙システムを所有する。例えば、 重量級対艦巡航ミサイルや対艦弾道ミサイルを展開するとなれば、強力な目標指示システムの開発が求められる。つまり、中国は、ますます宇宙空間の軍事利用 への関心を強めてゆくという事だ。

中国は又、衛星写真や無線傍受を目的としたスパイ衛星の数を増やし、さらにミサイル攻撃のための警告システム創設を目指している。衛星攻撃兵器の発展に関 連して、こうしたすべての事は、それに従事する人の数を必ずや増やし、予算も増えて行くに違いない。しかるべき軍事機構の影響力や政治的比重も上がるだろ う。

そうした時になって初めて、恐らくは、宇宙軍部隊を個別に切り離す必要性が生じるのではないだろうか。

続きを読む: http://jp.sputniknews.com/japanese.ruvr.ru/2014_09_17/277407232/

読者コメント

      • 5214s5214 2014.09.17 , 21:48
      • このような情報を提供しているロシアの研究員は大変正直だと思う。 日本では、中国のことに関して真実を知ることは出来ない。 日本人の中国人に対する見方というのは、見下した馬鹿な態度でまともに聞けないのが多すぎる。尖閣においても米軍を引き止めて中国を挑発しているのがいかに危険なことかが解ろうというものだ。
      • # 5214s5214 2014.09.17 , 21:56
      • いつの日か、中国が琉球の窮状を救ってくれるだろう。日米の琉球に対する無慈悲な態度を無くしてくれるだろう。特に日本の琉球への人道に反する政策は打ち砕かれることだ。
      • # atila00 2014.09.19 , 04:50
      • 中国が開発し始めている武器の中で面白い物がある。Super Electromagnetic Pulse Bomb でこれが上空ではしけると、すべての電気器具、通信網、ミサイル も含めが駄目に成る。これは高度技術兵器に成ればなるほど電気を基に作動している為。アメリカでは、一旦事が有れば、大統領はジェット大型機で上空へ飛び上から 指令を出すそうだが、先ずそのジェット機の電気関係が駄目になり飛べないし、通信も外と取れない、ミサイルを発射したくても発射出来ず、何処から飛んで来たSEPB ミサイルかを調べる装置も動かなくなりどの国(方向)へ向けて反撃して良いのかも判らなくなる。一辺に100年程前の武器技術レベルに陥る。このSEPBが成功すれば 軍備装備競争にやっきになってる連中は自分達のやっている事がアホらしくなるのでは。
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