頤和園、北京の皇帝の庭園

頤和園は清朝第6代皇帝の乾隆帝が1750年に造営を開始した庭園で、以後焼失と再建を経て現在に至っている。北京の中心にある紫禁城から北西に15kmほどの場所に位置する。

約2.97平方kmの広大な敷地面積を有しており、敷地の約4分の3を人口の湖である「昆明湖」が占めている。庭園内でひときわ目立つのが山の中腹に建てられた八角の塔「仏香閣」であり、内部には千手観音像が安置されている。その他、昆明湖に沿って設けられた長廊や中国庭園でも最長の橋、石造りの船「清晏舫」など豪華な建築が随所に見られる。

昆明湖東岸に位置する文昌閣は道教の神「文昌帝君」を祀ったものである。文昌(文曲)は道教において信仰された北斗七星の第4星に由来する神であり、学問の神としてとりわけ科挙の受験者の信仰を集めた。こうした建造物に加え、庭園内の彫刻、彫像、装飾の随所に中国の仏教文化および道教文化が反映されているのを看取することができる。

参考文献リスト

昆明湖と仏香閣

文昌閣

仁寿殿の龍と鳳凰