前 509年から後 476年までの9世紀の間、ローマ帝国の首都として栄えたローマは当時の遺跡を数多く残しており、コロッセウムやパンテオンといった著名な遺跡を含む市中城壁の内側の地域が世界遺産に登録されている。ローマは、中世には一度衰退したもののルネサンスの中心地として再び歴史の舞台で注目を浴びる。建造物や古典書籍など古代ローマを想起させるものがイタリアの各地、とりわけこのローマの地に残存していたことが、古代文化の再生(ルネサンス)を目指す当時の動きに力を与えたと言われる。優れたキリスト教美術作品を生み出したレオナルド・ダ・ヴィンチやラファエロも、ルネサンス期に芸術の都として花開いたローマに集い作品を生み出した。
ローマの歴史地区と併せて世界遺産に登録されているサン・パオロ・フオーリ・レ・ムーラ大聖堂は、400年頃完成したとされる初期キリスト教時代のバシリカ式教会堂である。「ヨハネの黙示録」の場面を表した壮大なモザイクが施されている。