聖書時代の遺跡群―メギッド、ハツォール、ベエル・シェバ

メギッドとハツォ―ルはイスラエルの北部、ベエル・シェバは南部にある古代都市の遺跡で、いずれも聖書の中に登場する土地である。メギッドとベエル・シェバは150kmほど離れている。

メギッドは、旧約聖書の時代に重要な役割を果たした。メソポタミアからエジプトへ通じる経路の要所であり、ソロモン王もこの地に築城した。新約聖書「ヨハネの黙示録」16章では、ハルマゲドンという名の地が終末戦争の戦場となるとされているが、(「汚れた霊どもは、ヘブライ語で「ハルマゲドン」と呼ばれる所に、王たちを集めた。」「ヨハネの黙示録」16章16節(新共同訳))ハルマゲドンとはヘブライ語で「メギッドの丘」を意味している。

ベエル・シェバは、「創世記」21章において、アブラハムがさまよった荒れ野として登場する。ハツォール(ハゾル)も、旧約聖書に度々登場する地名であり、「列王記」上9章15節には、「ソロモン王が強制的に労働者を徴募したのはこうである。すなわち主の宮と自分の宮殿と、ミロとエルサレムの城壁と、ハツォ―ルとメギッドとゲゼルを建てるためであった」とある。

どのような舞台で、また、どのような歴史のなかで聖書が誕生していったのかを知ることができる世界遺産である。

参考文献リスト