カルヴァリア・ゼブジトフスカ:マニエリスム様式の建築と公園の景観複合体と巡礼公園

巡礼公園の歴史は、1600年に地元の有力者であったミコワイ・ゼブジドフスキが、近郊の小高い丘をキリストが十字架にかけられたゴルゴタの丘(ラテン語でカルバリア)に見立て、小さな聖堂を建立したことから始まった。その後、ミコワイとその息子などにより、丘の周囲6kmをめぐる44もの小さな教会堂や聖堂が建設され、聖地エルサレムの景観を模した公園が整備されたことから、聖地巡礼を疑似体験できる場所として人気を博すようになった。

教会や聖堂のデザインや建築に携わったのはJ.M.ベルナルドニ(建築家)とP.バウダルト(建築家で彫金師)。巡礼公園全体はバロックとマニエリスム様式の融合した様式となっている。また、大聖堂には後期バロックとロココ様式の融合が見られる。

1999年にユネスコ世界遺産に登録され、現在の年間訪問者数は約100万人。復活祭には公園全体を使って再現される受難劇(十字架の道行)に10万人の人々が参加するほか、マリア崇敬の拠点ともなっている。

ポーランド出身の教皇ヨハネ=パウロ2世が幼少の頃より頻繁に訪問し、祈りを捧げた場所としても知られる。

参考文献リスト

天使たちの聖母マリア大聖堂(サンタ・マリア・デリ・アンジェリ)

ゴルゴタの丘に見立てられたジャル丘

復活祭期間中、出店に群がる子供達