ブッダガヤの大菩提寺

インド北東部にあるブッダガヤはブッダの悟りの地として知られ、仏教徒の巡礼の対象となっている。ブッタガヤ以外にも、ブッダの生涯に深く関わる場所は仏教の重要な聖地とされ、世界遺産に登録されている仏陀の生誕の地・ルンビニ、仏教成立の地・サールナート、入滅の地・クシーナガラが四大聖地として知られている。

ブッダがその下で悟りを開いたとされる菩提樹を中心に菩提道場が建てられ、それを前身として5~6世紀には大菩提寺が創建されていたと考えられている。現在の大菩提寺は、1870年代にミャンマーの仏教徒によって大改修されたものである。

菩提樹は大菩提寺の西側に接しており、欄楯(らんじゅん)と呼ばれる柵で囲まれている。美術史的にも重要なこの欄楯には、前1世紀の作と考えられており、仏教説話や聖地巡礼図などが描かれている。ペガサスや人魚、半人半馬(ケンタウロス)などのギリシャ的なモチーフも見られ、当時の文化的影響関係を考える上でも興味深い。

ルンビニ同様、周辺には各国の仏教寺院が建造されており、現在の仏教の世界的展開もうかがい知ることができる。

参考文献リスト