古代都市ポロンナルワは、アヌラーダプラの南東に位置する、11~13世紀に栄えたシンハラ王朝の古都である。 シンハラ朝は、首都アヌラーダプラがチョーラ朝のラージャラージャ一世によって破壊されたため、993年にポロンナルワに首都を移した。 以降、歴代の王が仏教の普及に努め、ポロンナルワは仏教都市として栄えた。12世紀後半のパラークラマ・バーフ一世の時代には最盛期を迎え、その時代に築かれた建造物が今でも数多く残っている。
ポロンナルワの町はコの字型の城壁で囲まれ、灌漑工事が施されており、千以上の貯水池が残っている。これはパラー・クラマバーフ一世の時代に城壁内に造った庭園を維持するために造られたもので、ポロンナルワは田園都市のような景観をなしていたという。
南部にはパラークラマ・バーフ一世が築いた庭園都市の遺構に、宮殿や、ストゥーパ(仏舎利塔)を安置する円形のワタダーゲの仏堂、ハタダーゲの仏歯寺院、ダラダーマルワ寺院などの建造物群が残る。仏歯はシンハラ族国家の重要な聖遺物であり、王朝の移動とともに移動された仏歯はこのハタダーゲに祀られていた。
そこから約4km北のガル・ヴィハーラには、全長約14mの涅槃仏や、仏弟子アーナンダの立像などが、岩肌を刻んで彫られている。
また、ポロンナルワには11世紀にインド南部から来たチョーラ朝の人々によって建てられたバラモン教の寺院も残り、シンハラ族の文化だけでなく、いくつもの文化が交錯したことを示す遺産ともなっている。
最盛期ののち都市は衰退し、14世紀初めにブワネカ・バーフ二世によって首都がクルネーガラに移されたことにより、ポロンナルワは首都としての役割を終えることとなった。