レオナルド・ダ・ヴィンチの「最後の晩餐」があるサンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会とドメニコ会修道院

ミラノにあるドミニコ会修道院。15世紀末に著名なイタリア人建築家ドナト・ブラマンテ(バチカンのサン・ピエトロ大聖堂の建築主任でもあった)によって完成されたといわれている。

何よりも有名なのが、修道院の食堂の壁画となっているレオナルド・ダ・ヴィンチによる『最後の晩餐』である。ダ・ヴィンチが1495年から2年の歳月を費やして完成させたこの作品には、新約聖書に記されたイエスの最後の日が描かれている。表現されているのは、イエスが「あなたがたのうちの一人がわたしを裏切ろうとしている」(ヨハネによる福音書:第13章21節)と述べた直後の12弟子の様子である。イエスの発言に対する12弟子の反応を表情豊かに描いたこの作品は、キリスト教美術の新たなスタイルを生み出したという点においても高く評価されている。

『最後の晩餐』の構図

登場人物は、左から右へ3人ずつのグループごとに分けることができる。

驚いた表情を見せるバルトロマイ、小ヤコブ、アンデレ。

その隣がペトロで、横にいるヨハネに話しかけている。ヨハネの隣にいるのがイスカリオテのユダで、イエスを裏切る代償が入っていると見られる袋を握っている。(ダ・ヴィンチ以前には、ユダを他の弟子たちとは離れた位置に描くという構図が一般的であったが、彼はこの手法を用いていない。)

真ん中に座っているイエスに説明を求めているのが、トマス、ヤコブ、フィリポ。

その隣で互いに話し合っているようにみえるのがマタイ、タダイ、シモンである。

参考文献リスト