古都メクネス

メクネスが首都として栄えたのは、17世紀後半の50年ほど。アラウィー朝の第二代スルタンであるマウラーイ・イスマイールがルイ14世に憧れ、ヴェルサイユ宮殿にも負けない豪華絢爛な都市を建設しようとしたと伝えられる。ヨーロッパとイスラムの建築様式が融合した17世紀のマグレブ建築の特徴が見られる。

主な宗教遺産

キリスト教徒の地下牢」

マウラーイ・イスマイールがキリスト教徒弾圧のために造った牢獄で、当時、4万人のキリスト教徒が鎖で繋がれ、閉じこめられていたと言われる。

マウラーイ・イスマイール廟

イスマイールの死後、息子によって建てられた霊廟。大理石の水盤が置かれた中庭を有し、床、壁、天井など、随所にモザイクタイルや彫刻で装飾が施されている。モロッコで唯一、非イスラム教徒が入れる霊廟である。

マンスール門

1732年にマウラーイ・イスマイールの命により、マンスールが設計した馬蹄形の門。青と緑の精巧な幾何学紋様で装飾されている。マンスールが建設途中にキリスト教からイスラム教に改宗したことにちなみ、「改宗者の勝利の門」とも呼ばれる。

参考文献