イスファハンのジャーメ・モスク

ジャーメ・モスク(金曜モスク)とは、一般にその都市で最も格式の高いモスクを指す語であるが、イスファハンの金曜モスクは841年に建設されたイラン最古のモスクであり、その後、中央アジア全体でモスクの建築様式の手本とされてきた。

ササン朝の宮殿建築の特徴である、中庭を囲み4つの門を互いに向き合わせる4イーワーン(玄関ホール)形式を最初に宗教建築に取り入れた例とされる。モスクの総面積は20,000㎡で、76m×65mの大きな中庭を持つ。4つのイーワーンは、それぞれ「主のテラス」「師のテラス」「托鉢僧のテラス」「弟子のテラス」と名付けられ、モスクがすべての人のためのものであることを示している。モスクの内部には、二重天井の小ドームを有する、天井の低い礼拝室が連なり、天井を支える無数の柱が立ち並んでいる。

モスクは、1121年に火災にあい、図書館等が全焼した後、12~14世紀に再建され、以来、増改築を重ねてきた。創建以来1200年もの間の様々な建築様式や装飾技術が混在しているのも特徴的である。

参考文献