メテオラ

規模、重要度ともにアトス山に続く、ギリシャの北西部にある第2のギリシャ正教修道院群。地上400メートル、険しい岩群の洞窟に11世紀から精神の平穏や祈りを通してのキリスト教的完璧さを求めた隠修士が住み始めたといわれる。メテオラとは「空中に浮いた」という意味であり、14世紀に最初の修道院「メタモルフォシス」を創立したアタナシオスがこの地の奇岩につけた名であるといわれている。メテオラは17世紀まで栄え、当時30もの修道院が存在していたが、現存しているのはそのうちの6つのみである。1948年まで、女性の立ち入りが禁止されていた。観光スポットとして世界的に有名である。

先端に網をつけたロープが外部との唯一の接触手段であったため、オスマン帝国時代には避難場所として活用された。そのため、ビザンティン文化の遺物が数多く残っている。石を彫った階段が作られたのは1920年代であり、それまではそのロープは人生の儚さのシンボルとして、擦り切れるまで取り替えられなかったと言われる。

現在残っている修道院は大メテオロン(メタモルフォシス)修道院、ヴァルラアム修道院、ルサヌ修道院、聖ニコラオス・アナパフサス修道院、聖ステファノス修道院、アギア・トリアダ修道院である。

参考文献リスト