韓国南東部の慶州は、紀元前57年から後935年まで新羅王朝の王都として栄えた。同市に存在する石窟庵(ソックラム)と仏国寺(ブルグクサ)が、1995年に世界遺産に登録されており、それに続いて南山地区、月城地区、大陵苑地区、皇龍地区、山城地区の5つの地区からなる地域が「慶州の歴史地区」として、2000年に世界遺産に登録された。特に南山は、古くから人々の信仰を集めてきた山ではあったが、7世紀に中国から大乗仏教が伝わると、仏教の聖地とみなされるようになり、寺院や僧院が建てられた。
地区全体を通して、新羅時代の史跡や仏教関連の史跡が数多く存在しているために「屋根のない博物館」とも呼ばれる。とりわけ7世紀から10世紀にかけての仏教美術作品を数多く保持し、韓国仏教の歴史に触れることのできる世界遺産である。