新石器時代後期から青銅器時代にかけて(前2500年~前2000年ごろ)段階的に作られたとされた巨石遺跡。ストーンヘンジとエイヴベリーはともにイギリス南部に位置しているが、場所は互いに30キロほど離れている。
ヨーロッパでは、前3000年以降巨大なストーン・サークルやメンヒル(直立させた巨石)、ドルメン(二本の石柱の上に梁の石が乗っている作り)などの巨石遺跡が多数作られており、何らかの共通する宗教文化が存在していたことが想定される。それらの遺跡の中で世界的にもっとも有名なのは、ストーンヘンジである。ストーンヘンジは直径約100メートルの円周に、高さ4~5mの巨石が立てて並べられており、円の開口部は夏至の日の出の方向に向いている。太陽信仰の神殿であったとも、天体暦の一部であったともされるが、今でもストーンヘンジの詳細な役割は解明されていない。しかし、特殊な祭祀遺跡であったであろうと考えられている。 エイヴベリーはその外周が1.3キロに達する世界最大のストーン・サークルである。近くにはヨーロッパの最大の古墳である「シルバリー・ヒル」も位置している。両者の遺跡の壮大な景観と神秘は、現在でも多くの人々を惹きつけている。
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