ドミニカ共和国の首都であるサント・ドミンゴは1498年にコロンブスが新大陸を発見してから初めて作られた町であり、アメリカ大陸で最も古い植民都市である。スペインから導入された格子状のサント・ドミンゴ市の景観はその後の新大陸の都市設計家たちのモデルとなった。アメリカ大陸初の大聖堂、病院、税関、そして大学が建てられた場所でもある。
コロンブス広場に面しているサント・ドミンゴの大聖堂(サンタ・マリア・ラ・メノール)は1514年から1542年の間に建設され、現在でも市内のランドマークとなっている。アメリカの主座大司教座が置かれていたこの大聖堂には一時コロンブスの遺体が保存されていたといわれる。大聖堂の他にも、サント・ドミンゴにはアメリカ大陸のキリスト教布教活動の端緒となった修道院もあったとされる。この地にあったと見られるドミニコ会、フランシスコ会、メルセス会の三つの修道会の当時の建物は現存していないものの、新大陸におけるキリスト教布教について考える上で重要な土地であることにはかわりがないだろう。
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