ザルツブルクはモーツァルトの出身地(1756年の誕生から25年間を過ごす)としても世界的に有名なオーストリアの都市である。ザルツが「塩」、ブルクが「砦」を意味していることからもわかるように、岩塩の産出とその貿易で富をなした。
8世紀から司教座が置かれ、さらに13世紀から19世紀にかけては大司教の支配の中心として最も繁栄していた。その時代にはザルツブルクが北欧と南欧の合流点になり、ゴシック様式とバロック様式の混合した独特の建築様式や文化を持つようになった。ヨーロッパ各地を巻き込んだ三十年戦争の中でも、司教の中立政策や要塞のおかげでザルツブルクにはその影響は及ばなかった。現在、司教が住んでいた地区は長い歴史をもった同都市の宗教文化の中心になっている。
その中でも、世界遺産に含まれているのは以下の建築物である。
ザルツブルク大聖堂
中世までに三回の立て直しが行われ、1628年に現在のバロック式の大聖堂となった。
聖ペトロ僧院教会
7世紀末に建てられたベネディクト派の僧院教会である。ドイツ語圏内もっとも古い男子修道院と女子修道院(ノンベルク修道院)も付属している。教会の墓地と地下墓地も有名である。
ザルツブルク・レジデンツ
歴史地区の中心に位置する歴代司教が住んでいた豪邸。12世紀に建てられてから17世紀に改修され、現在は美術館として使われている。
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