ガラスなどは透明です。食塩や水晶(石英)などの結晶も透明です。バンドギャップエネルギーよりも光子エネルギーが大きい光がくると,充満帯の電子は励起されて,伝導帯に移ります。この時,この光子は吸収されます。しかし,バンドギャップよりも光子エネルギーが小さい光が来ても吸収されず,透過することになります。このように透明な物質のバンドギャップエネルギーは,目に見える最短の波長の光子エネルギーよりも大きいのです(図99.1)。
金属の場合は,伝導帯が一部分だけつまっています。光子のエネルギーを受けて伝導帯内で励起した場合は,すぐにもとに戻ることができ,同じエネルギーの光子を再度放出します。そのため光を反射して,金属光沢を示すことになります(図99.2)。金属に当たる光のエネルギーが電子と伝導帯の上部のエネルギーとののエネルギー差も大きい時は,電子が金属から飛び出します。この現象を「光電効果」といいます(図99.2)。
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関連サイト: 「第7回 原子から出る光」