ペットボトルというのは,和製英語です。英語ではplastic bottleと言います。使われ出したのは,1970年代です。米国で清涼飲料水用に,日本では醤油の容器として用いられたのが始まりです。ペットというのは,ペットボトルの材料であるポリエチレンテレフタラート (PET; 英語読みして「ポリエチレンテレフタレート」ともいう) の頭文字からとったものです。
PETはもともと,ポリエステル繊維として用いられていたものです。「テトロン」という商品名を聞いた方もおられるでしょう。テトロンは帝人と東レの共同ブランド名です。帝人の「テ」と東レの「ト」にナイロンの「ロン」を組み合わせたものです。ナイロンは初めて開発された合成繊維で,1935年米国のデュポン社のカロザース(Wallace Hume Carothers; 1896~1937)によって発明されたものです。ナイロンの命名には諸説がありますが,私は小学生の時に父から「Nylon」というのは,「農林」(Nolyn)を逆に読んだものだと聞かされました。当時軍事用に必要だったパラシュートは絹製でした。しかし,日本との関係が険悪になってからは絹が入手できなくなったので,農林省に対抗するために名付けたというのです。ネットでしらべてみると,この話も書いてありますが,単なる噂かもしれません。だれがが,偶然にこのことに気づいてその話が人から人へと伝わる内に真実のように語られようになったのかもしれません。
関連動画: 「 ペットボトルの不思議」(5分48秒)
関連サイト: 「第14回 さまざまな物質の科学2」