鏡のように平らに磨いたガラスの表面に対して斜めに光を入射させると,光の進む向きが折れ曲がります。このような現象を屈折といいます。屈折を利用したものにレンズやプリズムがあります。
ガラス表面に対して光が入る角度とガラスに入ってからの光が進む方向の間には,図84.1に示すような関係が成り立ちます。物理の教科書で学んでよく知っている人もいるでしょうが,数式に馴染みのない人にはむずかしく感じるかもしれません。しかし,石英ガラスの性質を理解するためには数式を理解することは必ずしも必要ありません。また,数式に馴染みのある人でも次に述べるような屈折率のもう一つの物理的な意味をよく理解しておく必要があります。