太陽のことを小さな子どもは「おひさま」といいますよね。太陽の「日」と「火」は発音がおなじですよね。「光」ということばは,「日」を「借り」るので,「ひかり」(=日借り)というと言われています。
日を借りるといっても何を借りるのでしょうか。昼間は太陽の光が地球に届(とど)いています。夏の昼間は特に暑くなりますよね。それは,太陽からくる光で暖められるからです。実は光の形で太陽から「エネルギー」を借りて(実際はもらって)いるのです。もっとも,日と火では,大昔の発音は違ったようです。万葉仮名のように上代特殊文字と言われるものでは,日の発音は「甲類のひ」,火の発音は「乙類のひ」と母音がちがっていました。したがって,語源がちがうとも言われています。これは,私の考えなのですが,言葉の母音というのは時代とともに変わることが多いものです。そこで,語源は同じであったけれども,生活の中で区別するために変化してしまったのではないでしょうか。
「あかり」という言葉は,「あかるい」「赤」(日が)「あける」という言葉の仲間です。夜明けなどという言葉もありますよね。古代語では赤,白,黒以外の色は「あお」といいました。交通信号の「あお」は実際には緑なのは,この名残なのでしょう。現在でも青葉という言葉がありますよね。
ちなみに,信号機ができた時に法令では「緑色信号」と書かれていたようです。しかし,世間で青信号といわれていることで,昭和22年(1947年)に法令でも「青信号」と改正されたそうです(この部分追加たした2016当時福井県警察本部ホームページQ&Aに書かれていましたが,2021年7月25日現在は見当たりません。大分県警察本部のQ&A[2016.2.18更新]には同様の文章がありました。ひょっとしたら,異論が多く,見直したのかもしれません)。昭和48年以降設置の信号機は文字通り青色になったと福井県警察本部のホームページに書いてありますが,私の目には緑にしか見えません。赤黄緑は国際的に決められたものであるので,青に近い緑にしたということなのでしょう。
関連動画: 「 太陽のエネルギーと環境破壊」(4分18秒)
関連サイト: 「第11回 技術の発達と地球温暖化の歴史」