窒素,水素,不活性ガスなど簡単な形の分子からなる気体(理想気体)の体積は,圧力が一定ならばコラム21で述べたように,絶対温度に比例します(シャルルの法則)。理想気体は温度が変わらない場合,体積は圧力に反比例します。この関係をボイルの法則といいます。2つの法則を合わせてボイル・シャルルの法則といいます。高校の物理や化学の教科書には式が書いてありますが,ここでは省略します。それをさらに,便利な形にしたのが理想気体の状態方程式
pV = nRT
です。ここで,pは圧力,Vは体積です。nは物質量 (私が学生の頃は「モル数」と習いました) [1]とよばれる物質の量をあらわすものです。R(= 8.31 J/mol・K)は気体定数とよばれるものです。Tは絶対温度とよばれ,セッ氏温度の値に273.1を足した値で [K] (ケルビン)という単位を持つ量です。この式は十分高い温度でよくなりたちます。室温以上の温度での窒素,水素,不活性ガスなど空気などに対してよくなりたちます。
[1] アボガドロ数とは分子量にグラムをつけた量の物質量。水の分子量はH2O = 1 × 2+16 =18なので,18グラムが1モルとなる。正しくは原子または分子がアボガドロ数NA(6.02×1023)個だけ集まった物質量。
関連動画: 「気体の体積変化と温度計」(7分47秒)
関連サイト: 「第5回 熱と気体の膨張と浮力」