2014年(平成26年)のノーベル物理学賞は,LEDを発明した赤崎勇教授,天野浩教授,中村修二教授の三人の日本人が受賞しました。青色発光ダイオードが重要だったのは,これによって白色のLEDが可能になったからです。
表101.1に,各色のLEDの発明の歴史を示します。赤色発光ダイオードは,1962年に発明されています。1960年代に緑色の発光ダイオードが発明されています。赤色と緑色は元東北大総長の西澤潤一氏によって発明されたものです。しかし,この緑色は,三原色で色を再現するには不十分でした。純粋の緑色の発光ダイオードが発明されたのは,1995年のことです。青色発光ダイオードが1993年ですので,その後のことです。青と緑が出揃ったことによって,三原色を組み合わせて,白色の発光ダイオードをつくることが可能になったのです。1995年に白色の発光ダイオードが発明されます。これは,青色発光ダイオードを蛍光体に当てて,白色にしたのです。現在は,この方式が主流になっています。ちょうど,蛍光灯は水銀灯の紫外線を蛍光灯にあてて,あかりにしているのに似ていますね。このように,新しいものが発明された時には,以前あるものにどこか似ていることがあることも多いのです。
発想する力をつけるためには,日頃からどこが同じで,何がちがうのか,様々なことを比較して,自分で考える習慣をつけていくことが大切だと思います。
関連動画: 「蛍光灯とLED」(11分59秒)
関連サイト: 「第7回 原子から出る光」