キャヴェンディッシュ(Henry Cavendish, 1731~1810)は,物理学や化学上の大きな発見をいくつも残し,後に彼の名をつけたキャヴェンディッシュ研究所がケンブリッジ大学にあります。彼は,極度の人嫌いで,使用人とさえ顔をあわせなかったといいます。今でいえば引きこもりに近いといっていいかもしれません。理由はわかりませんが,ケンブリッジ大学で学んで物理学と数学で良い成績を示したといいますが,中退しています。貴族の生まれの彼は,莫大な財産をもとに研究に打ち込みました。彼は王立協会(Royal Society)の会員となり,論文を発表しています。王立協会では興味ある話になると会員の話に耳を傾けたこともあると言われています。彼の発見として次のようなものがあります。
4) 空気中から2)と3)の方法で酸素と窒素を取り除くと不燃性の気体が残る。のちにアルゴンと呼ばれる物質が容器内に残ることを示したものである。
5) 後に「キャヴェンディッシュの実験」といわれる地球の密度測定を行った。この実験結果を万有引力は法則から万有引力定数を算出できることから「万有引力定数を測定した」といわれることが多い。
死後発見された未公開の実験記録として,
6) 気体の蒸気圧や熱膨張に関する研究(後にドルトンやシャルルが発見)
7) クーロンの法則
8) オームの法則
などがあります。
彼の名を冠したキャヴェンディッシュ研究所が1871年設立されています。初代の所長はジェームス・クラーク・マックスウェル(1831~1879)がなりました。