放射性物質のことを聞いていると「半減期」という言葉がでてきます。これは,放射性の原子核が放射線を出して他の原子核になることによって,その原子核の残っている量が最初の2分の1になる時間です。成長期の子どもがとり入れると甲状腺癌になるといわれるヨウ素131(ヨウ素131というのが,陽子(53個)と中性子の数の合計が131個ということです)は半減期が8日です。ですから,現在では存在しないと考えてよいでしょう。それに対して,セシウム137が問題にされています。半減期が30年と長いためです。この放射線の崩壊を利用したものに炭素14による年代測定があります。
原子核は講習でも説明したように陽子と中性子からできています(スライド2-30)。陽子同士は,正の電荷(電気の値)を持っており,中性子は電荷をもっていません。陽子と中性子の数のバランスで安定性が決まります。実験的には3,000種類の原子核が確認されているといわれています。これらのうちほとんどの原子核は不安定なものです。安定な原子核は核図表という形でまとめられています。核図表はIAEAのサイトからみることができます。