学会発表などで日本人の発表を見ている,例えば「10kg」のように数値と単位の間にスペースが書かれていないのが目に付きます。本来は「10 kg」のように,単位と数値の間にスペースを入れるのが正式です。英語を書く場合は単語と単語の間にスペースをいれますね。それと同じなのですが,なかなかできない人が多いようです。但し,例外もあります。角度を表す「°」は「180°」のように数字にくっつけます。同様に,°が付いている「°C」や「%」は,「100°C」や「50%」のように数値にくっつけて表します。もっとも,このような場合でもスペースをいれる方式もあるようです(%は原則としてくっつける)。また,プライム「'」も「x'」のように文字や数字にくっつけます。もともと,角度や時間を60°15'20''(60度15分20秒または60時間15分20秒)に表す時の記号に由来しているからでしょう。
学生の卒業論文などを添削していると,半角かっこの前後にスペースを入れないものや半角カンマの後にスペースを入れないものが目立ちます。最近は,ワープロで印刷原稿をつくるようになったので,この辺も注意する必要があります。また,日本語に英数字を入れる場合は日本語の半角フォントではなく英数フォントを使うことが見栄えのよい原稿をつくる上で大切です。
さらに,印刷所に原稿を渡す時には昔は写真製版していましたが,最近はpdfで渡すことが普通になっています。pdfの状態で印刷所が編集しますが,写真なども修正できますのでモノクロ印刷する場合もカラーで渡した方がコントラストの調整などしやすいようです。