350 mLの空き缶のまわりに働く力はどんな動物が乗ったときの力と同じでしょうか。計算してみましょう。図35.1のように計算します。その結果,約320 kgの重さに相当する力(320 kgfと書きます)がはたらくことがわかります。
図35.1 アルミ缶の周りにはたらく力の計算
このような大きな体重の動物に踏まれたらたまりませんよね。このように大きな空気の力は,私たちの体にもかかっています。でも,潰れません。それは,体の中にも空気が入りバランスをとっているからです。
小学生や一般の人向けの講座では,どのくらいのものが乗った力と同じであるか,クイズを出すことにしています。ヒグマのオス体重は250~500 kgです。ですから,ヒグマに乗っかられたように大きな力が働いているのです。
数値計算をするとき,学生に図35.1のように必ず数値に単位を付けさせるようにしています。単位の間も計算してそれが正しいかどうかも確認します。実験をしていると,単位を間違えることがあります。このとき,数値に単位を付けて,単位の間も計算して確認するようにすると,計算間違いの防止にも有効です。本来,物理量は数値に単位がついたものです。その意味でも,単位を書くことを学生に強く要求しています。
関連動画: 「空気の力」(8分56秒)
関連サイト: 「第5回 熱と気体の膨張と浮力」