蛍光というのは,コラム94の図94.2のように,光を受けてエネルギーの高いエネルギー階にあがったものが,光を出さずに中2階のようなところに移ったのち,もとの階に戻るときに光を出す現象です。この時出す光は吸収した光よりも波長の長い光になります。蛍光灯で紫外線を吸収して,目に見える光を出すのはこの現象です。
蛍光に似た現象に燐光(りんこう)があります。光が2階に上がってから,光を出さずに移った中二階が安定でなかなか下に降りない現象です。ゆっくり,少しずつ光を出すので長時間光らせることができます。以前時計などによく使われていた夜光塗料は燐光を利用したものです。