コラム33でも述べましたが,重曹とクエン酸を水に溶かすと炭酸水ができます。これは,重曹とクエン酸が反応して二酸化炭素が発生するためです。重曹は熱した時にも二酸化炭素を発生します。これを利用したのが電気パンの時に使ったベーキングパウダーです(実験33)。ベーキングパウダーは重曹の他に重曹の分解を助ける成分が混ざっています。カルメ焼きは,ザラメに少量の水を入れて火にかけて融かし,融けて125℃になったところで重曹を加えて二酸化炭素を発生させて発泡させて,冷やすことによって軽石のようにしたものです。これも,重曹が二酸化炭素を発生する性質を利用したものです。
ちなみに,通常のパンは酵母が発酵するときに発生する二酸化炭素を利用して膨らませたものです。発酵自体も生物がエネルギーを得る過程です。「それはなぜだろう」と,次々に疑問を持って「知識のネットワーク」を広げていくことが大切だと思います。説明しだすとキリがないので,ここで留めておきますが,機会があったら,みなさんも自分の頭のながで話をつなげていっていただきたいと思います。