日本古来のロウソクを和ろうそく(和蝋燭)と言われています。和ロウソクはいつごろから作られたかよくわかりません。文献にでてくるのは1375年頃の太平記の記述か最初だといわれていています。遅くとも,その頃には使われていたということがわかります。材料は,ハゼ(櫨)実からとった木ロウを加熱してかけたものを和紙とイグサの髄から作った芯の分かりに手でかけては,乾燥することを繰り返してつくります。そのため,断面は年輪のようになります。
マイケル・ファラデーが1860年の一般の人を対象に行ったクリスマス講演をもとに書かれた『ロウソクの科学』では,和蝋燭について実物を示しながらその構造を語るシーンが出てきます。当時の日本はまだ明治維新前でしたので早くもイギリスに伝わっていたのは大変驚きです。ペリーが来航して日米和親条約を結んだのが1954年(嘉永7年)ですので,それからわずか6年後にファラデーが和ロウソクを手にいれていたのです。
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