江戸の町で出た屎尿は近郊の農家の人が取りに来て,代わりに野菜を置いていきました。廃品回収としては,「紙くず買い」や「鉄くず買い」などは今でも想像できる商売だと思います。その他に,竈(かまど)(かまど)の灰を買う「灰買い」や傘として,再生する「古傘買い」などもありました。その他,様々な修理業の人が町をまわって商売をしていました。図165.1の絵は,「鋳掛け(いかけ)屋(や)」といって,穴の空いたナベ釜を修理する人,「羅宇屋(らうや)」といってキセルを修理する人,そろばん,下駄の修理などさまざま職業がありました。修理しながらものや資源を大切にしていたのです。その他,古着屋や古道具やなどリユースを助ける商売もありました。要らない手紙などは反故(ほご)といってふすま紙にしたり,さらに漉(す)きなおしたりもされていました。寺子屋では,往来物(おうらいもの)という書簡形式で文字や一般の世間常識を学ぶ教科書が使われていました。100年以上使い回したということが,記入された使用者の名前から分かったという例もあります。貸本屋などといった,現在のレンタルDVDの元祖のような商売もありました。その他,現在につながるいろいろな商売がありました。江戸時代の仕事を調べると新しい事業のネタが見つかるかもしれません。