分子は運動しています。運動しているものは,運動エネルギーを持っています。先にも述べましたが,運動エネルギーは質量に速さの二乗をかけたものの2分の1です[(1/2)mv2]。分子の運動エネルギーの平均値は温度に絶対温度と呼ばれる量に比例することが知られています。絶対温度というのは,セッ氏温度の値に273.1を足した値を持つものです(コラム21)。絶対温度というのは絶対零度よりも低い温度は存在しないからです。なぜ存在しないかというと,絶対零度というのは,分子の運動が無くなる温度のことだからです(図47.1)。
なぜ接している物体の温度が等しくなるのでしょうか。例えば,容器に入った気体分子は容器の分子と衝突します。衝突を繰り返すと,気体の分子の容器の壁の分子の平均の運動エネルギーが等しくなって温度が等しくなるのです(図47.2)。
関連動画: 「気体の体積変化と温度計」(7分47秒)
関連サイト: 「第5回 熱と気体の膨張と浮力」