日本の食料自給率はどのくらいかご存知でしょうか。図52.1に食料自給率の変遷を示します。よく言われているのは,日本の食料自給率は40%程度だということです(平成28年度は38%)。この値は,カロリーベースでの食品自給率です。要するに,日本で生産される食料の何パーセントが国内で生産されるかを示す値です。
私達は,国産の食料をたくさん食べています。ほとんどの人は国産のお米を食べているでしょう。コマーシャルでも言っているように,牛乳は100%国産です。国産の野菜もたくさん出回っています。その割に40%という数値は低いように思う人はいないでしょうか。穀物の自給率(重量ベース)でみると,飼料用の自給率は低いことがわかります。
実は,これにはからくりがあります。畜産物のうち,輸入飼料によって育てられたものは入っていないのです。また,野菜はエネルギー(カロリー)が低いので余計低くなります。図52.1の一番上の線は生産額ベースの食料自給率です。生産額ベースでは,平成28年度の食料自給率は68%になります。何れも農林水産省のホームページに出ています。