The day after tomorrowという映画をご覧になった方も多いでしょう。地球温暖化によって海流が変化し,氷河期が突然訪れるという設定の映画です。
さて,ヨーロッパは日本とくらべて高緯度にあたります。ローマ(北緯41°89¢)と函館(北緯41°78¢)の緯度がほとんど同じです。稚内(北緯45°40¢)の緯度に近いのはイタリアのミラノ(北緯45°47¢)で,パリ(北緯48°52¢),ロンドン(北緯51°309¢)は北海道よりもはるかに北にあります。それにもかかわらず,冬の寒さはさほど厳しくありません。その理由は,メキシコ湾流からわかれた北大西洋海流が赤道付近の暖かい海水を運んでいくためです。地球温暖化によりその海流は停止するといわれていました。その結果,ヨーロッパが寒冷化するといわれていました。最近はそれを否定する学説が主流となったようです。でも,将来のことはどうなるかわかりません。ただ,地球温暖化といっても,単純に地球の気温が高くなるだけではなさそうです。
最近は,北極の氷が減少しためにシベリアから寒気団が来るためにも日本の冬が寒くなるという現象が見られました(平成25年,26年)。冬になるとノルウェー沖のバレンツ海に低気圧が発生します。この低気圧は,比較的温かい空気をもたらします。北極海の氷が少ないときには,北極の方に移動し,北極は温暖化する一方,シベリアは寒冷化するのです。このシベリアの寒気団が日本にやってきて,大雪をもたらしました。