現在使われているウランを使うタイプ以外の原子炉も考えられています。トリウム溶融塩原子炉とよばれるものがそれです。地震直前の平成23年2月に中国が実用化に向けて開発をすると新聞に書かれていたのを記憶されている方もおられるでしょう。このタイプは,液体状態の燃料を使うのが特徴です。さらに,ウランよりも原子番号が2つ小さいトリウムという元素を使います。トリウム232に中性子が当たるとウラン233というウランの同位体が生成されます。それが,核分裂を起こすというものです。トリウムは,ウランよりも埋蔵量が多い上に,ほとんど100%燃料として使えるトリウム232です。この原子炉は現在の原子炉(軽水炉)に比べて安全性が格段に高いと言われています。この原子炉の将来性について,私は判断できませんがこのような原子炉もあるのだということを頭の隅にでもいれておいてください。詳しいことをお知りになりたい方は,古川和男著「原発安全革命」(文春新書)をご覧ください。