大気中の二酸化炭素の増加は,産業革命を機会に起こったといわれています。しかし,産業革命が起こったのも,実は環境破壊と関係しているのです。ヨーロッパでは,長年の伐採によって,燃料として使う薪がなくなってきました。そのため,代替の燃料として石炭が使われるようになってきたのです。石炭は汚いということもあって主に庶民が使うようになったそうです。その結果石炭が普及してきました。この石炭を用いた蒸気機関の発明によって,重工業が興ってきたのです。
中東にレバノンという国があります。レバノンは地中海に面し,南はイスラエルと国境を接しています。レバノンという国の国旗と国章には,レバノンスギが書かれています(図104.1)。レバノンスギはスギという名前がついていますが,マツ科ヒマラヤスギ属の針葉樹でスギ(スギ科スギ属)とは違うものです。レバノンスギは古代には中近東一体に自生していましたが,大規模な伐採が続いたせいで,今ではレバノンの一部で残っているだけだそうです。環境破壊が起こったのは,決して産業革命がきっかけではありません。農業が始まった時から,人類による環境破壊が始まったと言われています。
関連動画: 「太陽のエネルギーと環境破壊」(4分18秒)
関連サイト: 「第11回 技術の発達と地球温暖化の歴史」