熱がエネルギーであることが知られる前には,熱は「カロリック」(Caloric; 熱素)とよばれる物質からできていると考えられていました。これは,ラテン語の熱とか熱い,暑いという意味のCalorに由来しています。カロリック説を唱えたのは,フランスのラボアジェ(Antoine-Laurent de Lavoisier, 1743~1794)です。彼は,化学反応の前後で質量が変化しないという「質量保存の法則」で知られています。また,それまで燃焼は酸素との結合によるものであることを最初に唱えた人です。それまでは,燃焼はフロギストン(phlogiston)とよばれる物質が放出されたものと考えられていました。フロギストンというのは,ギリシャ語の炎の意味φλογιστόνから来ています。
関連動画: 「熱と仕事」(10分42秒)
関連サイト: 「第6回 あかりと熱源の歴史とエネルギー」