物体は,外から熱や仕事という形で,エネルギーをやりとりするだけではなく,内部にエネルギーを持っています。このエネルギーのことを「内部エネルギー」といいます。内部エネルギーというのは,分子の運動エネルギーと分子間に働く力のポテンシャルエネルギー(位置エネルギー)の総和です。但し,物体全体でもつ運動エネルギーやポテンシャルエネルギーは除いたものです。
内部エネルギーの変化量は外部からされた仕事と外部からもらった熱エネルギーの和に等しくなります。この関係を熱力学第一法則といいます(図45.1)。熱力学第一法則は熱力学の基本となる法則の1つです。
法則というのは,論理的に証明することができないものです。神様から与えられたとか,自然がそうなっているからそうなんだというしかないものです。ですからいくら考えても,論理的に導くことはできません。ところが,考える事が好きな人ほど,それはなぜだろうと考えてしまいます。それがわからずに,自分は考える力が無いんだと思って物理が嫌になってしまう人がいます。一言,「法則」の意味を教えればそこでつまずかないのですが。私にはこのことを学校で教わった記憶がありません。
関連動画: 「 熱とエネルギー保存則」(4分39秒)
関連サイト: 「第2回 熱と仕事とエネルギー」