生たまごをご飯にかけてたべるときに,誤って白身をこぼしてしまったことはないでしょうか。白身の一部が容器の外からでると引っ張られて容器からこぼれてしまいます。これは,白身が粘弾性を持っているからです。
さて,玉子というと生たまごとゆでたまごの見分け方をご存知でしょうか。机の上に置いたまま,(横に寝かせた状態で)回転させてみるとゆでたまごは勢い良くまわりますが,生たまごはゆでたまごに比べてはやく止まってしまいます(実験89)。回転しているのを指で抑えてとめてから,すぐに指を離すとゆでたまごは止まったままですが,生たまごでは指をはなしたあとまた回転します(実験90)。これは,生たまごの中が流体であるためです。ゆでたまごは全体が一体化してまわるのですが,中とそとで回り方が違います。回し始めは,中身は慣性の法則でとどまろうとし,外側との摩擦が生じ止まろうとさせるので,早くとまるのです。でも,一度まわりだしたら中身は動き続けることによって指で少し抑えてもまた回りだすのです。
わたしは,生たまごがすぐにとまるのは,こぼれやすいのと同じように粘弾性のせいだとおもっていまいした。しかしながら,まわしたものをとめてからさらに回るということは,流体の回転ということを考えた方が妥当のようです。