平成23(2011)年3月に九州新幹線が鹿児島まで開通し,新大阪から「みずほ」が鹿児島中央駅まで直通運転しています。東海道新幹線と山陽新幹線は直通運転をしていますので,線路は東京駅から鹿児島中央駅までつながっています。一方,東北新幹線は平成22年(2010年)12月には,東京から新青森駅までつながり,平成28年(2016)には北海道の新函館北斗までつながりました。
ところが,東京では東海道新幹線と東北新幹線の線路はつながっていません。その理由は,新幹線は交流電源で走るためです。電圧は25,000 Vで共通ですが,周波数が違うのです。東海道新幹線以西の新幹線は60 Hzであるのに対して,東北新幹線,上越新幹線は50 Hzだからです。
平成27年(2015年)には,北陸新幹線が金沢までつながりました。北陸新幹線が走る富山県,石川県は60 Hzの地域です。そこで,車上に周波数変換装置がついていて,50 Hz, 60 Hzの両区間を走行できるようになっています。周波数の切り替え区間は,軽井沢駅から5 km長野寄りの地点です(軽井沢駅と佐久平駅の間)。東北・上越新幹線開業(昭和57(1982)年)の頃には,車上に積載できる小型の周波数切り替え装置がなかったので,東京で線路が分離されることになりました。将来は東京駅で東海道新幹線と他の新幹線の線路がつながるようなるかもしれません。